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@序…
会社の人事政策で最も重要なことは、給与の公開である。 よく「企業は人なり」という。 とすれば、企業にとって従業員の能力、やる気を引き出すことが最も重要な経営課題だということである。
従業員の能力、やる気を引き出す為には、公平な評価が不可欠である。 口でいくら公正、公平な評価を行っているといっても、結果を見せずして信じろというのは不可能である。
なぜなら、人は皆、自分が一番大変だと思っているし、また、自分が一番かわいいからである。 評価の結果としての給与が公開されて初めて、人事政策がスタートするのである。
A企業の現状…
ところで、企業のトップシークレットの最右翼は従業員、役員の給与であることも、また現実である。しかし、我々中小企業が、この経済環境下で生き残っていく為には、潜在するマンパワーを最大限活用するより方法がない。
給与公開がその唯一の方法なら、過去の呪縛から解き放され、給与の公開をしたい。
B問題点…
給与公開をためらう理由は幾つかある。 まず第一に、今までの評価基準の曖昧さである。 その曖昧さをつかれると、返答に困るのである。
第二に、役員報酬に対して従業員の理解を得られるかどうかである。 第三に、年功賃金の矛盾点の露呈である。 その他にも幾つかの理由があるが、考え方を変えてしまえば、この問題はクリアーされるはずである。
C問題解決方法…
まず、評価基準の曖昧さについては、素直に詫びることである。 給料は形式上、従業員一人一人との個別の契約であるので、法律違反をしている訳でもないし、過去について、遡及される訳でもないので、ここでは、従業員のこれからのやる気を引き出す意味で、素直に詫びるのである。
そして、今後については、あるレベルの公正な評価基準を導入することを宣言するのである。 給与の公開によって自立作用が働き、現在給与が公平になるように従業員の志気が動くことは確実である。
自分の働き以上の給与を得ている者が、危機感を感じ向上すれば良いが、その逆に、自分の給与の評価が相対的に低すぎると感ずる者の志気の低下がないよう、新評価基準の導入の宣言と、個別面談は重要である。
公正な評価基準は、専門家の援助を受けて作成することが重要だが、ところで、我々中小企業にとって、真に公正な評価基準が用意できるのか、また、運用できるのかは、大いに疑問のあるところである。
そこで、一定レベルの評価基準は必要だが、真に公正な評価方法、公平な評価方法を追い求めても労多く、逆にそれ以上の評価については、公正、公平を追い求めないという企業風土の醸成が必要と考える。
D企業風土の醸成…
一定レベル以上の人事評価について曖昧さを許す企業風土は、何によって作られるのだろうか。 この企業風土を作るために絶対不可欠なものは、経営計画である。
経営計画の中で企業の進むべき方向、自分達の役割、会社の現状、人件費の総額が、はっきり判ることが不可欠である。 経営計画の中で説明される人件費総額、そして、全社売上高を理解することによって、給与は社長が決めるものではなく、顧客が決めるものだということが理解できるし、また、会社という枠組みは、そこに集う全ての人の生活を支えるために、永続的に確保しなければならない枠組み、入れ物であることが理解できるはずである。
当然、その入れ物を維持するにはコストがかかり、従業員は自分自身の為だけでなく、その入れ物を維持する人や、その他の人の為に働く部分が必要なことも理解することとなる。
そして、その部分は「寺銭」として企業に一旦吸収され、入れ物の維持のため、企業の意思によって再配分されることとなる。 その企業自身に委ねられた再配分の自由を、個々の従業員が許すことを理解することが、この企業風土そのものである。
E役員報酬について…
社長の役員報酬については、自信をもって必要額を計上すれば良い。 経営の最高責任者の役割とその重さは、従業員に容易に説明出来るはずである。
以下、その他の役員については、社長の額が決まれば自ずと決まるものである。 ただし、名目役員等に報酬を支払っている場合には、よく検討し、出来れば取りやめるべきである。
年功賃金の弊害について 年功賃金で弊害が出ているのなら、むしろそれを隠す事のほうが問題が多い。 企業活力を失わないためにも英断が必要である。
Fまとめ…
給与の公開と評価基準の公開が必要である。 給与の公開は、上の者に厳しくなるのが普通である。 高給取りはその分働かなければならない。
経営計画が必要である。 会社はそこに集う人のための箱である。 社員は他の社員のために働くという企業風土の醸成が必要である。 給与、賞与の決済権は企業維持のため、社長が持つことが必要である。
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